告知

授業予定など

帰国後、4月より大阪大学大学院の助教に着任いたしました。ご挨拶がすっかりおそくなってしまいましたが、どうぞ今後は国内でよろしくお願いいたします。
ありがたくも専任ですが、当然のように任期制ですので、教育、研究、そして研究室の雑務を同時に進めながら、再び公募に出し続けるということが求められ厳しい状況には変わりありません。とりあえず半月ほどたち、イタリアから900キロほどあった荷物も絵画も全部到着、ひとまず仕事の引継ぎも済んだところで、今度はまたありがたくも学内の官舎に引越しとなりそうな気配で、いろいろとばたばたしています。

それで、今年から担当することになった授業について内容を記してみます。
前期一コマ、後期二コマ、それぞれ豊中キャンパスで行われますので、興味のある方は外部の方でも問題なくいらしていただくことができると思います。


■前期・月曜4限 <音楽学における各種史料の扱い>

○授業の目的
 音楽学領域の研究で対象とされている種々の「史料」の取り扱い、およびそれらをめぐる研究方法を概観する。
○講義内容
 音楽学の研究を進めるにあたって、その基礎となる各種「史料」ついて、図像、現物を具体的に提示しながら、その検索、扱い方、意義などを学ぶ。さらに、それら史料を用いてどのような先行研究が行われてきたか、また可能であるかについて演習形式で検討する。
○授業計画
 本授業では、西洋音楽に直接関わる自筆譜、筆写譜、印刷譜、ファクシミリ譜といった楽譜史料のほか、台本、興行史料、楽器、舞台美術、演出、聴衆、理論書、録音史料など、音楽学各領域(音楽図像学、楽器学、記譜史、劇場史など)において用いられている史料全般について幅広く触れる予定である。そのため、西洋音楽を専攻とする者以外に、歌舞伎など邦楽や、各国の音楽・演劇・舞踏などパフォーミング・アーツ諸領域を専門とする種々の受講生についても歓迎する。


■後期・月曜4限 <楽譜校訂作業の実際>

○授業の目的  
 過去の音楽史料(楽譜)の検索、読解、そしてその「現代語翻訳」を目指しながら、楽譜校訂全般にわたる手順、問題点を習得する。また同時に、楽譜入力ソフトの習得も目標とする。

○講義内容  過去の音楽作品の大部分はいまだ出版されることなく各地の図書館に眠ったままである。それらの発掘、研究が西洋音楽学においての大きな課題となってきたが、それら音楽史料を現代の音楽家が演奏できる「現代譜」へと「翻訳」することが最終的には求められている。 
 本授業では、このような「楽譜校訂」がこれまでどのようなコンセプト、手法のもと行われてきたか、また、行うべきであるのかについて概観した後、16-18世紀の西洋音楽の出版譜、筆写譜、自筆譜等、楽譜史料に基づき、受講生自らがそれら楽譜を現代譜へと起こす訓練を行い、文献学に基づく楽譜校訂作業を習得することを目標とする。
 受講生は、楽譜が読め、基本的な楽理・楽典を理解していることが望ましいが、本授業ではその基本概念と作成手続きそのものの習得を主眼とするため、必須とはしない。(この場合、台本など文字史料の「校訂」を課題とする。) また、楽譜ソフトを扱うにあたり、可能な限りポータブルPCの持参をお願いすることになるが、数人のグループ作業を念頭に置いているためこれも必須とはしない。

○授業計画
<イントロダクション>:
 *ヘンデル新全集、ロッシーニ全集、楽譜校訂を基にする諸博士論文など、「批判校訂版楽譜=クリティカルエディション」における校訂報告書を検討しながら、その基本概念と方法論を習得する。
  *楽譜入力ソフト「フィナーレ」等の基本的な使い方を学び、各自コンピュータ上で楽譜入力を練習してもらう。

<報告>
 *各人、あるいは各班ごとに対象とする楽譜史料を選択してもらい調査を進める。
 *選択した楽譜史料の「校訂」を進め、適宜進捗状況を発表してもらう。その時点で、記譜史、演奏様式等の観点から個別に問題点を指摘し、討議を行う。
 *本授業の最終課題として、各人、および各班には、各自選択した楽譜史料の「校訂譜」を提出してもらう。


■後期・金曜5限 基礎ゼミナール<オペラを研究する>

学部1年生向けの基礎ゼミです。受講20人前後。

オペラを実際に見て、それを研究としたときに、どのような研究が成り立つのか、また、研究が生かされているのか、毎回テーマを変えてオペラ作品とその研究のさまざまな広がりを概観する。

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アレッサンドロ・スカルラッティ記念祭@ヴェネツィア(速報)

ヴェネツィアの音楽文化の一翼を担うレーヴィ財団は、音楽研究事業への援助に特化しており、コンサート、ならびにいつもながらすごいボリュームの研究書の出版しているが、今年の2月にはアレッサンドロ・スカルラッティの宗教曲に関する学会+コンサートを行うことになったとの知らせがあったので、ここに報告する。

アレッサンドロ・スカルラッティの生誕350年という記念年にもかかわらず、パレルモ大学も結局学会をやるのかやらないのかまだもって不明で、これが今のところヨーロッパで唯一の記念行事である。ペルゴレージと並ぶ、いやそれ以上の影響力を持っていたのに、残念なことである。

公式サイト: http://www.fondazionelevi.it/musica.html
        http://www.fondazionelevi.it/docs/seminari/Calendario_attivit%e0.pdf

まだ学会はオーガナイズ中らしく、公式サイトにも予定すら公表されていないが、とりあえずやるということなので続報を待たれたし。

●学会 「A.スカルラッティの宗教曲」
日時:2010年2月17日 午前中から
参加者:ディンコ・ファブリス他 

●コンサート:
日時:2010年2月17日 20:30より
場所:サンタ・マリア・フォルモーザ教会
曲目:「聖週間のための音楽」
Alessandro Scarlatti (1660-1725)
350°Anniversario della nascita
Musica policorale
Musica per la Settimana Santa

ソプラノ: ヨハンナ・キスロウスカ Joanna Kislowska, Susanne Rydén, soprano
コントラルト: ヤコポ・ファッキーニ Jacopo Facchini, controaltista
テノール: クリスティアン・クルゼスゾヴィアク Krystian Krzeszowiak, tenore
バス: マッテーオ・ベッロット Matteo Bellotto, basso

古楽オーケストラ・ミッテエウローパOrchestra barocca e Coro della Mitteleuropa
指揮 ロマーノ・ヴェットーリ Romano Vettori, direttore

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ペルゴレージ国際学会 第1弾(ナポリ、2010年1月28-31日)

これまで何度も書いたが、2010年はペルゴレージ年で、ナポリ、ミラノ(5月20-21日)、ローマ(9月9-10日)、ドレスデン(11月12-14日)、東京(11月)でそれぞれ国際学会が予定されている。

その第1弾として、2010年1月28日から31日にかけて、ナポリ古楽研究所ピエタ・デイ・トゥルキーニ(ペルゴレージ財団との共催)において大規模な国際学会が開催されるので、ここに総合プログラムをお伝えしたい。

詳しくは、ピエタ・デイ・トゥルキーニ発表の公式プログラムを参照のこと。
http://www.turchini.it/documentazione/dibattiti/CONVEGNI_28_31gennaio2010.pdf

このところのイタリアの音楽学の発展を反映するかのように大変贅沢なプログラムで、タイトルだけをみてもいかにペルゴレージが音楽学領域において注目されている作曲家か伝わることと思う。(もはや、ローマ、ミラノ、ドレスデンでやることがなくなってしまうのではないかとこちらが心配してしまうほどでさえある。)

なお、このプログラムは暫定的なもので、1週間前に公表されるプログラムを正とする。また肩書きについては私が今のところ把握している分のみで、最新の情報ではないかもしれないので注意されたい。
********************************************************************
■日時: 2010年1月28日ー31日 
■場所:
     1. ナポリ古楽研究所”ピエタ・デイ・トゥルキーニ”(サンタ・カテリーナ・ダ・シエナ教会)
    2. ナポリ、Zevallos Stigliano宮
3. ポッツォーリ、Tempio Rione Terra
    4. ナポリ、Villa Pignatelli荘 

プログラム

■1月28日 15:00 場所: カテリーナ・ダ・シエナ教会 via Santa Caterina da Siena, 38)

◎挨拶
ペルゴレージ財団Fondazione Pergolesi-Spontini di Jesi
フェデリカ・カスタルドFederica Castaldo, ナポリ古楽研究所”ピエタ・デイ・トゥルキーニ”所長

◎座長 レナート・ディ・ベネデット Renato Di Benedetto

・インマ・アシオーネ(カゼルタ市歴史文書館)、「ペルゴレージの時代の史料」
 Imma Ascione, Fonti per l’età pergolesiana
・エルヴィーラ・キオージ(ナポリ大学)、「18世紀前半のナポリにおける文化と政治」
 Elvira Chiosi, Cultura e politica a Napoli nella prima metà del Settecento
・ベアトリーチェ・アルフォンツェッティ(ローマ第1大学“ラ・サピエンツァ”)、「ハプスブルク副王下の悲劇の声」
 Beatrice Alfonzetti, La voce del tragico nel Viceregno asburgico
・ロベルタ・トゥルキ(フィレンツェ大学)、「《奥様女中》」
 Roberta Turchi, Le serve padrone
・マリア・イダ・ビッジ(ヴェネツィア大学)、「18世紀前半の舞台画」
 Maria Ida Biggi, Illusione prospettica e immagine pittorica. La scenografia del primo Settecento
・ロベルト・デ・シモーネ、タイトル未定
 Roberto De Simone,

■1月29日(金)、9:30 場所:Napoli, サン・カルロ劇場

◎座長クラウディオ・トスカーニClaudio Toscani

・ジュリアーナ・ボッカダーモ(ナポリ大学)、「18世紀のナポリにおける宗教性」
 Giuliana Boccadamo, Religiosità a Napoli nel Settecento
・アウジリア・マガウッダ(ノヴァーラ音楽院)&ダニーロ・コスタンティーニ(ミラノ音楽院)、「ペルゴレージの時代のナポリ王国における宗教劇」
 Ausilia Magaudda-Danilo Costantini, Il dramma sacro nel Regno di Napoli al tempo di Pergolesi
・ガエターノ・ピタッレージ(カラーブリア音楽院)、「ポーヴェリ・ディ・ジェズ・クリスト音楽院の生徒、ペルゴレージの諸宗教劇」
 Gaetano Pitarresi, I “drammi sacri” di Pergolesi, allievo del Conservatorio dei Poveri di Gesù Cristo
・クラウディオ・バチャガルッピ、「地震に対する音楽:聖エミーディオへの奉納」
 Claudio Bacciagaluppi, Musica contro i terremoti: sulle celebrazioni per S. Emidio
・テレサ・ジャルドローニ、「ペルゴレージの時代のナポリにおけるカンタータ」
 Teresa M. Gialdroni, La cantata a Napoli negli anni di Pergolesi
・アントーニオ・カロッチャ(ナポリ・ジェロラミーニ修道院)「ペルゴレージのいくつかのカンタータにおけるドラマ性」
 Antonio Caroccia, La dimensione drammatica in alcune cantate di Pergolesi


■1月29日、15:00 場所:ポッツォーリ市、Pozzuoli, Tempio Rione Terra

◎座長フランコ・ピペルノFranco Piperno(カラーブリア大学)

・フランチェスコ・コッティチェッリ&パオロジョヴァンニ・マイオーネ、「18世紀前半のナポリの音楽、劇場に関するパースペクティブ:銀行文書より」
 Le carte degli antichi banchi e il panorama musicale e teatrale della Napoli di primo Settecento: 1726-1736(progetto e cura di Francesco Cotticelli e Paologiovanni Maione)
・マリーナ・マリーノ(ナポリ音楽院)、「宗教音楽」 
 Marina Marino, La musica sacra
・アンジェラ・フィオーレ(ペルゴレージ財団-ナポリ古楽研究所トゥルキーニ)、「女子修道院における音楽」
 Angela Fiore, Musica nei chiostri femminili
・ケリー・リディアーネ・ガッロ(ペルゴレージ財団-ナポリ古楽研究所トゥルキーニ)、「個人の(音楽)発注者」
 Kelly Lidiane Gallo, La committenza privata
・カルラ・アルディート(ペルゴレージ財団-ナポリ古楽研究所トゥルキーニ)、「サン・バルトロメーオ劇場」
 Carla Ardito, Il Teatro di San Bartolomeo
・パオロジョヴァンニ・マイオーネ(アヴェリーノ音楽院)、「喜劇(オペラ)の舞台」
 Paologiovanni Maione, Le scene della commedia
・フランチェスコ・コッティチェッリ(カリアリ大学)、「芝居としての舞台」
 Francesco Cotticelli, Il teatro istrionico
・フランチェスコ・ノチェリーノ(ナポリ)、「ペルゴレージの時代のナポリにおける楽器製作者の技術:銀行信託を通して明らかになる楽器学に関する調査」
 Francesco Nocerino, L’arte di costruir strumenti musicali a Napoli al tempo di Pergolesi. Un’indagine organologica attraverso polizze e fedi di credito


■1月30日、9:30 ナポリ、 場所:Palazzo Zevallos Stigliano宮 (Via Toledo, 185、Napoli)

◎座長:マリーナ・マリーホーファーMarina Mayrhofer(ナポリ大学)

・ローザ・カフィエーロ、「“音楽院と呼ばれた4つの音楽施設がナポリには既にあった”:ペルゴレージの時代の音楽教育」
  Rosa Cafiero, «Esistevano in Napoli quattro Licei, fra noi detti Conservatorj»: formazione musicale e «Armonica carriera» nell’età di Pergolesi
・ジョルジョ・サングイネッティ(ローマ第3大学)、「即興を通して作曲を習得する。グレーコとドゥランテの(チェンバロ曲)「パルティメント」(の分析)を通して」
Giorgio Sanguinetti, Imparare la composizione attraverso l’improvvisazione. I partimenti di Greco e Durante
・パオロ・スッロ(ローマ第3大学)、「ペルゴレージのソルフェージュ曲集(ナポリ音楽院所蔵(I-Nc 18.3/21 olim Rari 1.6.29/4)」
 Paolo Sullo, Una raccolta di solfeggi di Giovanni Battista Pergolesi (I-Nc 18.3/21 olim Rari 1.6.29/4)
・アンジェラ・ロマニョーリ(パヴィア=クレモナ大学)、「“新”ナポリ風スタイルの推敲におけるフランチェスコ・マンチーニの位置づけ」
 Angela Romagnoli, Il ruolo di Francesco Mancini nell’elaborazione di uno stile ‘moderno’ alla napoletana
・ステーファノ・アレージ(パヴィア=クレモナ大学)、「ニコラ・ポルポラ:自作引用、そして趣味の例-古典、モダン、新しいもの、ナポリ様式、イタリア様式、フランス様式」
 Stefano Aresi, Nicola Porpora, l’autoimprestito e il paradigma del gusto: antico, moderno, nuovo, napoletano, italiano, francese
・チェーザレ・フェルトナーニ(ミラノ大学)、「ポルポラのヴァイオリン・ソナタにおける多くの謎」
 Cesare Fertonani, I molti enigmi delle sonate per violino di Porpora


■1月30日、15:00 場所:ナポリ、Palazzo Zevallos Stigliano宮

◎座長:フランチェスコ・コッティチェッリFrancesco Cotticelli

・ロベルト・ラング、「《シリアのアドリアーナ》における、ナポリの様式についての考察」
 Robert Lang, La questione degli elementi stilistici napoletani nell’Adriano in Siria
・ロレンツォ・マッテイ(ターラント音楽院)、「18世紀の音楽論文における“ペルゴレージ神話”」
 Lorenzo Mattei, Il “mito Pergolesi” nella trattatistica musicale del Settecento
・クルト・マークシュトローム(カナダ・マニトヴァ大学、サン・ジョンズ校)、「ペルゴレージと、18世紀後半においける音楽批評」
 Kurt Markstrom, Vinci, Pergolesi e la critica musicale del tardo Settecento
・フランチェスカ・セラー、「19世紀ナポリにおける、ペルゴレージの受容と幸運」
 Francesca Seller, Fortuna e ricezione pergolesiana nella Napoli dell’Ottocento
・ロレダーナ・パルマ、「マストリアーニ版:伝記と伝説におけるペルゴレージ」
 Loredana Palma, La versione di Mastriani. Pergolesi tra biografia e leggenda
・ルーチョ・トゥファーノ(ナポリ大学理学部図書館)、「セッラーオ(作曲、オペラ《ペルゴレージ》)1857 における、「これほどまでに可笑しくゆがめられたペルゴレージ」」 
 Lucio Tufano, «Mostruoso a vedere un Pergolesi cosi baffi». Serrao, Ronchetti Monteviti e il mito in scena (1857)


■1月30日、21.00 場所:ナポリ、 Villa Pignatelli荘
ペルゴレージ生誕300年記念コンサート

ソプラノ:シモーネ・ケルメス Simone Kermes
演奏:アンサンブル・レ・ヌォーヴォ・ムージケEnsemble Le Nuove Musiche
指揮:クラウディオ・オゼーレClaudio Osele
曲目:
*ハッセJohann Adolf Hasse (1699-1783)
 ・Sinfonia dalla serenata “Marc'Antonio e Cleopatra”
 ・Spiritoso e staccato - Allegro – Grazioso
*ポルポラNicola Porpora (1686-1768)
 ・Tocco il porto – aria di Quinto Fabio dall’opera “Lucio Papirio”
 ・Morte amara – aria di Quinto Fabio dall‘opera “Lucio Papirio“
*ペルゴレージGiovanni Battista Pergolesi (1710-1736)
 ・Concerto per violino, archi e basso continuo in Si bemolle maggiore
 ・Tu me da me dividi - aria di Aristea dall‘opera “L`Olimpiade“
*レーオLeonardo Leo (1694-1744)
 ・Manca sollecita – aria di Cleonice dall‘opera “Il Demetrio“
*ガッロDomenico Gallo (fl.18˚secolo )
 ・"Follia" in sol minore per 2 violini, viola e basso continuo
*ペルゴレージGiovanni Battista Pergolesi
 ・Lieto così talvolta – aria di Farnaspe dall’opera “Adriano in Siria”
*ハッセJohann Adolf Hasse
 ・Come nave in mezzo all’onde - aria di Siface dall‘opera “Viriate“


■1月31日(日)、9.30  場所:ナポリ、カテリーナ・ダ・シエナ教会 Chiesa di Santa Caterina da Siena
◎座長、パオロジョヴァンニ・マイオーネPaologiovanni Maione(アヴェリーノ音楽院)

・ヴィンチェンツォ・ドッラ(ナポリ大学)、「ペルゴレージの台本作家、ジェンナーロ・アントーニオ・フェデーリコ:言外の様式」
 Vincenzo Dolla, Gennaro Antonio Federico, librettista di Pergolesi. Connotazioni strutturali e stilistiche
・ロージー・カンディアーニ、「喜劇オペラ《本人と認められた道化師》(ナポリ、1724)」
 Rosy Candiani, Napoli 1724: lo Sagliemmanco riconosciuto
・ラッファエーレ・メッラーチェ(ミラノ・カトリック大学)、「ペルゴレージとハッセ(のオペラ)における、恋仲におちる姉妹と兄弟」
 Raffaele Mellace, «Io v’era frate»: sorelle e fratelli innamorati tra Pergolesi e Hasse
・マリオ・アルメッリーニ(ヴェローナ音楽院)、「サン・バルトロメーオ劇場における、情け容赦のない独裁者、および抑圧される姫君たちの舞台:ヴィンチの《エルネリンダ》(1726)と、ペルゴレージの《誇り高き囚人》(1733)を例に」
 Mario Armellini, Tiranni spietati e principesse oppresse: scene madri al San Bartolomeo, nell’Ernelinda di
Vinci (1726) e ne Il prigionier superbo di Pergolesi (1733)
・ロベルト・スコッチマッロ(ベルリン自由大学)、「ペルゴレージとレーオのオペラ・セリアにおけるアリアの旋律の特徴」
 Roberto Scoccimarro, Profilo melodico e fraseologia nelle arie di Giovanni Battista Pergolesi e Leonardo Leo. I drammi seri


■学術委員
レナート・ディ・ベネデットRenato Di Benedetto(委員長)
フランチェスコ・コッティチェッリFrancesco Cotticelli
パオロジョヴァンニ・マイオーネPaologiovanni Maione
フランコ・ピペルノFranco Piperno
クラウディオ・トスカーニClaudio Toscani

◎なお、この秋には、上記委員、フランチェスコ・コッティチェッリ、パオロジョヴァンニ・マイオーネ両音楽学者を招聘(東京、および大阪)し、これらイタリア音楽学における最新の研究成果を聞く一般向け催しを予定しています。ぜひお楽しみに。
こちらも、ピエタ・デイ・トゥルキーニ発表の公式プログラムにもう掲載されている。
http://www.turchini.it/documentazione/dibattiti/CONVEGNI_28_31gennaio2010.pdf

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2010オペラ・マスターコース参加者(およびオペラ出演者)募集案内

■オペラ・マスターコース参加者(およびオペラ出演者)募集案内

トスカーナ州コルトーナを本拠にするオペラ団体、アカデミア・トスカーナ・リリカ "ドメニコ・チマローザ" では、ここ3年ほど、毎年夏に、イタリア・オペラに関するマスターコースと受講生によるオペラ上演を続けてきました。
  http://www.accademialiricacimarosa.com   
  http://www.teatroaccademiatuoro.it/laboratori-lirici.html

来年2010年夏には、チマローザ作曲、喜劇オペラ《La Vanita' delusaあての外れた虚栄》(2幕: フィレンツェ、1784)の復活初演、およびCD録音(Bongiovanni あるいはNaxsosより出版予定)を行う予定で、現在参加者-出演者を募集しています。オーケストラはモダンですが、古楽オペラへのアプローチを重視しています。

なお、私が同団学術顧問で関わっていることもあり、来年は、1, 2名の日本人の参加があることを念頭に話をすすめています。


●期間: 2010年8月22日(全員集合)から9月12日(レコーディング該当者は、作業のためさらに5日ほど延びる予定)

●場所: Tuoro sul Trasimeno(ペルージャ県)
  http://www.natura.regioneumbria.eu/default.aspx?citta=054055
  http://it.wikipedia.org/wiki/Tuoro_sul_Trasimeno

●オペラ上演:<★情報変更!!12月26日>
   衣装付全曲上演は、2010年9月11日、9月12日に、マスターコースと同じTuoro sul Trasimenoの市立劇場、Teatro Comunaledell’Accademia di Tuoro sul Trasimeno で行います
   ( 平土間180席+パルコ席の小さな小さな村の劇場ですが、一般観客を入れて行います。) 
  劇場HP: http://www.teatroaccademiatuoro.it/teatro.html
         http://www.teatroaccademiatuoro.it/Photo%20Gallery.html

ほか、8月29日、9月3日、9月5日にも受講生によるコンサートを予定。

●募集対象: 本オペラのキャストは、3ソプラノ、2テノール、2バス/バリトン ですが、ダブルキャストでの上演を予定しているため、募集受講生総数は、ソプラノ6人、テノール4人、バス4人の計14人となります。基本的に音楽院、音楽大学在学生、あるいは卒業生(若手)でイタリア語ができることとしますが、イタリア原語でのオペラ全幕参加ができることが条件になります。

●講師陣
Michael Aspinall (Vocal coach
Simone Perugini (Interpretazione stilistica del repertorio Settecentesco
Marco Rimicci (Tecniche per Pianisti accompagnatori
Gabriella Minarini (Audio-vocal training
Carlo Paolillo (Audio-vocal training
Ersilia Monacchini (Arte scenica
Luca Marzetti (Interpretazione e tecnica orchestrale


●費用: 国際的なキャリアを持つスタッフによるマスターコースはすべて無料。
 宿泊・食事については、会場近くに一泊25ユーロ(+食費)程度の宿舎を確保してあります。[要確認] また、チケットノルマ、CDノルマは基本的に一切発生しません。あと、上演作品のCD(DVD?)は後日無料で贈呈されるようです。

●申込方法: ホームページwww.accademialiricacimarosa.com "Eventi" から、参加申込書がPDFでダウンロードできるようになっています。
申込書 http://www.accademialiricacimarosa.com/Documenti_corso_2010/Scheda%20iscrizione.pdf
詳細 http://www.accademialiricacimarosa.com/Documenti_corso_2010/Rego_cantanti.pdf

提出締め切りは、4月30日で、上の申込書にオーディション料30ユーロ(為替、あるいは銀行振り込み記録を添えて)を添えて申し込み。
5月半ばにオーディションを予定しています。また日本在住者の場合、CD、あるいはDVD録音での提出も可能。
また、合格者は、前金として100ユーロを6月15日までに振り込んでもらいますが、これは現地到着後全額返金されます。 (詳細は上記HPプログラム参照)

Accademia Lirica Toscana "D. Cimarosa" 
Via Vecchia di Pozzolatico 6/24
50125 Firenze
Tel.: +039333/9736033


●歌手オーディションの詳細

以下の作品から、任意のアリア1曲を選ぶこと。(郵送の場合、DVDでの録画録音が望ましい)
http://www.accademialiricacimarosa.com/Documenti_corso_2010/Rego_cantanti.pdf

1) Le nozze di Figaro, di W. A. Mozart
2) Don Giovanni, di W. A. Mozart
3) Così fan tutte, di W. A. Mozart
4) Il Matrimonio segreto, di D. Cimarosa
5) Il Barbiere di Siviglia, di G. Paisiello
6) Il Barbiere di Siviglia, di G. Rossini


●この件に関する連絡先:
(国内):  山田高誌 (本ブログプロフィール上のメールアドレス)
 (イタリア): segreteria [@] accademialiricacimarosa.com (英語、イタリア語のみ)
 

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ペルゴレージ300周年記念祭

来年はアレッサンドロ・スカルラッティの生誕350年、および、ペルゴレージの生誕300周年記念祭というまことにまことに記念すべき年であり、聖ナポリ年とでも言うべき年である。
(フォルジュルネは来年ショパンを取り上げるらしいが、一言で言えば的外れである。)

生地で聖地イエージに設立されているペルゴレージ研究所は、ようやく20年にわたる活動の後クリティカルエディションの出版を完了させるとともに、大部の研究書を発刊し、1月4日の誕生日から記念行事を開始する。以下生地イェージで行われるプログラムを書いてみたい。

1月4日(誕生日) オープニングコンサート、ステファノ・デミケーリStefano Demicheli指揮コンサート

3月16日 ファビオ・ボニッツォーニFabio Bonizzoni指揮、リゾナンツァ、宗教曲コンサート

6月3日  ファビオ・ビオンディFabio Biondi指揮、エウロパ・ガランテ、オラトリオ《聖ジュゼッペの死SLa Fenice sul rogo ovvero La morte di S.Giuseppe》
6月4日- オッターヴィオ・ダントーネOttavio Dantone指揮、アッカデーミア・ビザンティーナ、オペラ《フラミニオFlaminio》  
6月10日- ダントーネ指揮、オペラ《シリアのアドリアーノL'Adriana in Siria》  

9月3日  ダントーネ指揮、オペラ《オリンピーアデL'Olimpiade》
9月21日  クラウディオ・アッバードClaudio Abbado指揮、宗教曲コンサート(スターバト・マーテル、ヴァイオリンコンサート他)

2001年よりペルゴレージ研究所が音楽祭を開始し、2002年から毎年私はイエージに行き、その質の高さ、総合的なプログラムに感動してきたが、今年はその総決算とでもいうべきなんという贅沢さ。

ダントーネ、ビオンディについてもう説明する必要も無いが、アッバードは、日本ではあまり知られていないが古楽にも大変力を入れていて、ジェズアルドのマドリガーレなどをキューバのルネサンスグループArs Longa de la Havanとともにイタリア各地で演奏し、これら遺産を紹介したりしてきたが、ペルゴレージについてももう何年も前から「バッハとモーツァルトの源流である」として、イタリア大統領の公認プロジェクトとして活動を行っているほどである。先日グラモフォンから出版された3枚組みのアッバードの”ペルゴレージ・プロジェクト”には、サラ・ミンガルドやカルミニョーラも出演し、A=430で演奏されたミサ曲などが収められている。

あと、2008年にナポリ古楽オーケストラ、ピエタ・デイ・トゥルキーニがもってきたオペラ《Salustia》などは、本当なら、「全曲上演」を目指す2010年にも再演される予定だったが、こちらはどうもキャンセルの模様。
というのも、指揮者のアントーニオ・フローリオAntonio Florioがなんとトゥルキーニを離れてしまって(自身が設立者なのに、別団体を立ち上げ、古楽研究所トゥルキーニ、およびオーケストラと断絶状態)、解体の危機にあるからである。支払いがなかったり、2年後に”遅れて”支払われたりと、いろいろな経済的な問題にもう愛想をつかしたみたいで、今大きな問題になっている。オーケストラを抱えるというのは国や県が行う事業であるが、もはやイタリアもあちらこちらで財政緊縮がとられ、末端とでもいうべき古楽系のオケへの援助の余裕はどこにもなく、トゥルキーニも余波をかぶったというか、とりあえずペイの良い海外公演などは続けているようだが、今後どうなるかわからない。

2008年はもちろん、2009年もヴィンチの《パルテノペ》公演ですばらしい活動を行ってきたが、そういうわけで2010年のプログラムは今も未定である。
http://www.turchini.it/centro/stagione_alCentro.cfm


研究書については、これまでPergolesi Studiesとしてほぼ隔年秋に発刊され、その質の高さで有名であるが、今年はすごい。ペルゴレージが活躍した1730-40年について、ナポリの7つの銀行の、すべての取引記録を全部読んで、音楽活動に関する支払い文書をすべて明らかにするというものである。2年、6人がかりのプロジェクトで、その仕事量たるや、私も銀行文書館で働いて横で見ていたので良くわかるのだが、大変なものである。
これでつまり、18世紀前半-中期のナポリの音楽事情の全貌(楽団を抱える少なくとも16の教会の音楽活動や、4つの音楽院、5つの劇場、そして個別作曲家、演奏家の活動、貴族のメセナ活動) が契約書レベルですべて明らかになるというものである。
こういう仕事こそが100年後にも残る音楽学の仕事となる。

●上の各イヴェントのほか、2010年末にはナポリ、トゥルキーニ古楽研究所で国際学会が開かれ、続いて5月にはミラノ大学、11月上旬はドレスデン大学を中心に、それぞれペルゴレージに関する国際学会が行われる。
さらに11月下旬には、東京北トピア音楽祭においてペルゴレージを中心とした公演&学会が行われるようなのことで、こちらも今から楽しみである。
http://www.kitabunka.or.jp/ongakusai/on2009/2010bosyuu.html

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キアラ・バンキーニ(Vn)初来日について宣伝(2010年3月)

バロック・ヴァイオリンの「女王」として有名な、イタリア語圏スイス人のキアラ・バンキーニとアンサンブル415が来年春に初来日する。

彼女のことは無論CDでよく知ってファンであったが、数年前、バーゼルで開かれたバロックバレエのヴェロニク・ダニエルズのホームパーティで初めてお会いしたことがある。初めてながらも、ヘンデルがレーオやヴィンチと共作したパスティッチョ・オペラを初演してみたいから音楽学の側から手伝ってもらえないかという話をしてもらったこともあって、器楽奏者ながらこれほどオペラと音楽学に興味をもっている人なのだと、ずっと印象に残って気になった存在であった。

それから数年たち、すっかり忘れたかのような感じであったが先ほど彼女から送られてきたメールによると、今度日本でコンサートが決まったからぜひ東京か大阪で会えないかというもの。ちょうど来年3月は私も帰国のため、ほいきた案内役は大丈夫と返事を出したので、ここはさっそく太鼓持ちとして(もちろん彼女の団体の真価を知ってもらいたいので)、コンサートの前宣伝をしてみたいと思う。

呼び元は古楽を専門にするアレグロミュージックだそうで、チラシからももう結構な力の入れようだ。
http://www.allegromusic.co.jp/Ensemble415.html

●来日期間: 2010年3月8~14日
●演奏曲  ボッケリーニ作曲「スターバト・マーテル」(1781)

●日本公演スケジュール 

◎3月10日(水) 東京 カザルスホール 03-5216-7131 アレグロミュージック 発売中
  
◎3月11日(木) 東京 王子ホール 03-3567-9990 王子ホールチケットセンター 発売中
  http://www.ojihall.jp/concert/lineup/2009/20100311.htm
◎3月13日(土) 大阪 ザ・フェニックスホール 
  http://phoenixhall.jp/sponsor/series/2009/1

チケットは、東京で6000円、大阪は4000円とのことだが、歌付きの旬の本物のイタリア・バロックを聴くためには当然の御代ではある。カザルスは3月で閉館とのことなのでそういうことからも見逃せないコンサートになるはずである。  http://artists.pia.jp/pia/artists.do?artistsCd=9A140020
(AMAIG等会員には今後何かあるかも?)

個人的にはアンサンブル415として出した、ナジッロとのチェロコンチェルト集とボノンチーニの録音が好きだが、新譜のアルビノーニについて(ボンジョヴァンニから出た演奏がひどかったのでもう絶対いやだと思っているのだが)、彼女がどう演奏するのかでとても気なっている。
http://www.hmv.co.jp/search/index.asp?keyword=ensemble+415&site=

来日コンサートでは、ボッケリーニの「悲しみの聖母」(スターバト・マーテル) の1781年版の初版をとりあげるように、やはり彼女の真価を発揮する声楽曲で臨んでくる。日本人の器楽奏者が、器楽だけで終始してしまうのと対照的であろう。
これ以上宣伝で勝手にでまかせをしゃべって問題になるといけないので、以下、アレグロミュージックのサイトから転載することとする。

http://www.allegromusic.co.jp/Ensemble415.html
「この作品はソプラノとチェロ2台を使った弦楽5重奏のために書かれた。この編成はボッケリーニが考案したといわれる。声は楽器群の響きと完全に一体化し、チェロが進んでそのソリストの役を務める。
 ボッケリーニは敬虔で真摯な人物として定評があった。それゆえこの作品が歌詞の痛ましさを尊重しつつ、あるときは悲壮に、あるときは感動的に、あるときは荘厳にと表情を変えていくのはごく自然なことである。

 今や多くの著名演奏家が来日を重ねる中、未だ日本を訪れたことのなかったバロック・ヴァイオリニストの大御所、キアラ・バンキーニが初来日を果たします。オランダ、ベルギー、ドイツの北ヨーロッパ・ピリオド弦楽系とは一線を画し、ラテン系ならではの美感、清冽でつややかなサウンドは、多くのファンを獲得しています。
 バンキーニの下で育ったヴァイオリニストは、E.ガッティ、ビオンディなどそうそうたる顔ぶれです。名手ジュリアーノ・カルミニョーラが、現在でも古楽奏法を相談するというのですから、いかに存在が大きいかが推測できます。


アンサンブル415 プロフィール

 1981年、ジュネーヴにおいてキアラ・バンキーニによって創立され、2001年からフランシュ=コンテを本拠とする。名前はバロック音楽の演奏におけるピッチの一つ(A=415)に由来する。最初のメンバーはフランソワ・フェルナンデス、エンリーコ・ガッティ、エミーリオ・モレーノ、ファビオ・ビオンディらであったが、20年を経た現在は、若いヴァイオリニストたちの参加を得て活動を展開している。ダヴィッド・プランティエ、ステファニー・フィステル、エヴァ・ボーリ、レイラ・シャイエがアンサンブル創立当初の熱意を受け継ぐ。世界各地の主要な音楽祭やコンサートホールに招かれ、コンサートとレコーディングは評論家からも聴衆からも高い評価を受けているが、それだけでなく、17~18世紀の作品の解釈と演奏の発展と、音楽愛好家に対して提示するレパートリーの拡大とに努力を続けている。

 有名な作曲家とともにジュゼッペ・ヴァレンティーニ、ジョヴァンニ・ボノンチーニといった作曲家を再発見してレコーディングやコンサートに取り上げており、これは質の向上、レパートリーの発見と刷新、そして芸術的完成をめざした根気強い研究の積み重ねによるものである。

 アンサンブル415は優秀なバロック・ヴァイオリンとヴィオラの奏者を中心に、イタリア独特のカラーに彩られたコンティヌオ・グループが脇を固めている。快い音のハーモニー、高度なテクニックに支えられた正確なタッチはメンバー同士をつなぐ芸術的共感と、第1ヴァイオリニストで芸術監督でもあるキアラ・バンキーニのほとばしるような閃きによって生み出されたものである。

 13~40人の室内オーケストラ編成に拡大して、サンマルティーニやボッケリーニのシンフォニー、コレッリやムファットのコンチェルト・グロッソなどを演奏したり、コレッリのソナタ作品5やヴィヴァルディのトリオ・ソナタからボッケリーニやモーツァルトの五重奏曲と六重奏曲、そしてJ.S.バッハやハイドンの室内楽も演奏する。ボッケリーニの五重奏曲作品39、60、63、六重奏曲作品23から3曲を、そしてアニエス・メロンをソリストに迎えてソプラノと弦楽五重奏のために書かれたスターバト・マーテルの最初稿をレコーディングしている。

 レコーディング歴は長く、約20枚のCDのほとんどが国際的な専門誌から賞を贈られた。2001年からパリのジグザグ・テリトワール・レーベルと組み、その共同作業から生まれたジュゼッペ・ヴァレンティーニのコンチェルティのCDは評論家と一般大衆あげての絶賛を博し、2002年、"ディアパゾン・ドール"と"ディス・ド・レペルトワール"を受賞した。

 サブレ・シュル・サルト、ディエップ、オー・ジュラ音楽祭、ユゼー、リヨン、リール、ナント、ポントワーズ、サンミシェル・アン・ティエラーシュなどでの古楽フェスティバルに毎回出演し、ナントの「ラ・フォル・ジュルネ」やシュレズネス劇場のシーズンにも招かれている。コレッリの管弦楽曲のほか、ヴィヴァルディ、ヴァレンティーニ、ムファット、ボノンチーニ、ポルポラ、ジェミニアーニの作品がプログラムに登場する。室内楽ではモーツァルトとハイドンの三重奏曲、モーツァルトの五重奏曲(クラリネット奏者ジル・トメと共演)、コレッリとボンポルティの「ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ」などを演奏する。

 アンサンブル415の共演者にはクリストフ・コワン、ロエル・ディルティアン、クリスティアーヌ・ジャコテ、ルネ・ヤーコプス、マリア・クリスティーナ・キール、アニエス・メロン、ギ・ド・メイ、アンドレアス・ショル、ジュリアーノ・カルミニョーラ、ヴェセリーナ・カサローヴァ、ラース・ウルリク・モルテンセン、バルトルド・クイケンらがいる。初来日。

キアラ・バンキーニ(音楽監督、ヴァイオリン)

 スイスのルガーノに生まれる。世界をリードするバロック・ヴァイオリニストの一人と認められ、主要な古楽フェスティバルに毎回招かれている。

 ジュネーヴ音楽院(コルラード・ロマーノのクラス)とハーグ音楽院で学び、優秀な成績で卒業後、シャーンドル・ヴェグとシギスヴァルト・クイケンの指導下で研鑽を積んだ。その後、ラ・プティット・バンド、エスペリオンXX、ラ・シャペル・ロワイヤルなどのアンサンブルに加わり、国際的ソリストとして頭角を現した。

 ジュネーヴ古楽研究所でバロック・ヴァイオリンを教えた後、バーゼル・スコラ・カントールムのバロック・ヴァイオリン教授に任じられた。エレーヌ・シュミットらとともに若い才能あるヴァイオリニストの世代を担う。ヨーロッパ各地、南アフリカ、オーストラリア、アメリカでもマスタークラスを行なっている。

 エラート、ハルモニアムンディ・フランス、ジグザグ・テリトワール(2002年以降)からCDが発売されている。

 1981年に独自の室内オーケストラ「アンサンブル415」を創立して以来、アンサンブルはコンサートやレコーディングで国際的な活動を展開している。

 キアラ・バンキーニは室内楽演奏にも熱意をもって取り組み、特にモーツァルトのヴァイオリンのためのソナタ、コレッリの作品5、ボッケリーニの五重奏、六重奏、スターバト・マーテルのCDは注目を浴びている。

 ダーバン(南アフリカ)、アデレード(オーストラリア)、ポルトガル、ラトヴィアなどのオーケストラやフランスのペイ・ド・サヴォア・オーケストラを指揮して、バロックとクラシックのレパートリーを演奏している。 2007年にはアンドレアス・ショルをソリストに、スコットランド室内管弦楽団を指揮した。しばしば各地の国際コンクールに審査員として招かれ、バロック・ヴァイオリン・ソリストのコンクール、「コンコルソ・ボンポルティ」の審査員長を務めたこともある。初来日。

マリア・クリスティーナ・キール(ソプラノ)

 アルゼンチンに生まれ、声楽とヴァイオリンを習った。1983年、ヨーロッパに渡り、バーゼル・スコラ・カントールムでルネ・ヤーコプスの指導下にバロック音楽を専門的に勉強した。同時にエヴァ・クラズナイの歌唱法コースを受講した。間違いなく今日のバロック音楽界をリードする声楽家の一人であり、グスタフ・レオンハルト、ルネ・ヤーコプス、ジョルディ・サバール、フィリップ・ヘレヴェッヘ、フランス・ブリュッヘン、コンラート・ユングヘーネルらの指揮者、コンチェルト・ヴォカーレ、ラ・フェニーチェ、カントゥス・ケルン、エスペリオンXX、コンチェルト・ケルン、アンサンブル415などのオーケストラやアンサンブルと共演している。

 バロック初期の音楽を中心に活動し、「ラ・コロンビーナ」「ダエダルス」「コンチェルト・ソアーヴェ」というアンサンブルを結成に参加した。1988年、インスブルックでルネ・ヤーコプスの指揮するカヴァッリの歌劇「ジャゾーネ」に出演してオペラ・デビューした。「ポッペーアの戴冠」「オロンテーア」「ダイドーとエネアス」(以上ルネ・ヤーコプス指揮)、ガリアーノの「ダフネ」、モンテヴェルディの「オルフェーオ」「ウリッセの帰郷」(以上ガブリエル・ガルリード指揮)に出演し、ヴィヴァルディの「テンペのドリッロ」(指揮ジルベール・ベッツィーナ)とプロヴェンツァーレの「妻の奴隷」(指揮トーニ・フローリオ)のタイトルロールを歌った。カルデーラのオラトリオ「キリストの足下にひざまずくマッダレーナ」のマグダラのマリア、モンテヴェルディの「聖母マリアの夕べの祈り」(いずれもルネ・ヤーコプス指揮)は大きな反響を呼んだ。」 
                                       (以上アレグロミュージックより転載おわり)

おそらくは某紙にインタヴューを載せることになると思うが、こちらは首を長くして楽しみにされたし。

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「サッジャトーレ・ムジカーレ」第13回年次大会@ボローニャ(11月20-22日)+チェスティのオペラ@ピサ(11月21日)

<今日3本目の記事>
イタリアの音楽学会は15年ほど前に分裂して、ローマ大学を中心とする「南組」が「イタリア音楽学会SIdM」、そしてボローニャ大学を拠点とする「北組」が「サッジャトーレ・ムジカーレ」と、それぞれ別組織として生まれ変わりました。
南は北を「怖くて冷たい」といい、北は南を「馬鹿の仲良し組」といってそれぞれいまだに反目しあっています。実際、北にはビアンコーニやペシテッリなど、オペラ史研究の現在の枠組みを作った人たちが中心にいることもあり、レベルが高い(ように見えます)。しかし、その構図とこき下ろし方は、それぞれに所属する音楽学者の気質や能力の問題というより、すべての文化、政治活動に共通に見られる南北対立がそのまま反映されている類の悪口でしかありません(と思いたい)。
私は研究も拠点も南なので、当然のごとくSIdMに入って仲良くしてもらっていますが、反対に北のサッジャトーレは1度しか覗いたことがなく、その閉鎖的とも言える雰囲気に飲まれたまま、どうもこれまで縁があまりありませんでした。しかし、来年度に帰国することになりそうなので、今年は忙しい中を縫ってなんとか参加することにします。

日程は、11月20-22日、ボローニャ大学演劇学学部 

個人発表もそれなりに面白いですが、2つのラウンド・テーブルのうちの一つは、「16世紀の西洋音楽をどのように学び、解読し、購入するか」 Imparare, leggere, comprare musica nell’Europa del Cinquecento
というテーマで大変そそられます。これは、 フランコ・ピペルノ、ケンブリッジ大学のイアン・フェンロンなど「本物」の専門家がやってくるので、彼らの専門的問題をどのように一般的なテーマへと話をおろしていくのか楽しみです。

さらに、11月21日の”中日”には、学会には全く関係ありませんが、ピサでチェスティのオペラ《愛の不和Le disgrazie d'amore》(1667) が復活初演されます。 http://www.coopfirenze.it/eventi/eventi/4366
私は、前々からちょうどサン・テティエンヌ大学准教授で、17世紀の台本作家、ブザネッロを専門にする友達のジャンフランソワ・ラタリコに招待されていたので日程的にとても助かりました。

両者関係ない組織なのに、21日午前中のサッジャトーレの学会のプログラムを見てみると、なんとチェスティと同時代のことがらみのセッションで、明確に両者は「プログラミング」されている模様。こういう離れ業ができるのも、オーガナイザーも参加者も皆ほとんど限られた人がやっているというパイの小ささのせいからです。

なお、上のフランソワとはこのあいだパリかナポリで会って以来、もう長らく会っていませんが、来年3月上旬には彼氏と来日(旅行)するらしく、ピサでは京都旅行の打ち合わせになりそうな予感。私が日本に帰ったら、ずいぶんと人が訪れてくる予定で、相手変われど主変わらずを地でいきそうです。

研究発表に目を通すと、ナポリつながりの友達で、今レッチェ大学で博士執筆中のサラ・イヤコノなども史料研究についての発表しますが、ドニゼッティからヴェルディ、マスネ、マーラと、南のSIdMがどちらかというと南イタリアの音楽史料を中心に扱うのに対し、こちらでは内容も結構北系、さらに言うと美学に近いようなものもぼちぼち目立って両学会の性格の違いが浮き出ています。

そういえば、イタリアで音楽美学というと、トリノとローマ第3大学そしてボローニャぐらいじゃないと取れない科目(というか専任教員がいない)んじゃないでしょうか。こちらでは、文献学的手法が主流の音楽学の分野に、美学の人が入ってくることはなく、双方のディシプリンのすり合わせというかそのへんの問題はほとんど起きないように見えます。


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http://www.saggiatoremusicale.it/attivita/2009/colloquio_prog.php
http://www.saggiatoremusicale.it/

Bologna, 20-22 novembre 2009

Alma Mater Studiorum - Università di Bologna
Dipartimento di Musica e Spettacolo
Manifattura delle Arti
via Azzo Gardino 65

Organizzazione:
«Il Baule», ℅ Dipartimento di Musica e Spettacolo
via Azzo Gardino 65, Bologna
tel. 051 2092414/15/18; fax 051 2092417


■11月20日午前 Venerdì 20 novembre, ore 11.15-13
Auditorium

Prolusione

Juan José Carreras (Saragozza)  18世紀のオペラ研究者
Attualità della filologia: Higini Anglès
e la musicologia tedesca tra le due guerre

Relazioni libere I

●Francesco Finocchiaro (Bologna)
«Comporre è pensare in note e ritmi»:
sul concetto schönberghiano di ‘musikalischer Gedanke’

●Gaia Varon (Bologna)
Henri-Georges Clouzot e Herbert von Karajan:
una Quinta fra tempo e spazio

■11月20日 午後 Venerdì 20 novembre, ore 15-18.30

Tavola rotonda I

●ラウンドテーブル
A ciascuno il suo:
diritto d’autore e diritti connessi in campo musicale

Coordina
Fabrizia Serpieri (Bologna)

Relazione di base
Sveva Antonini (Bologna)
Raffaella Pellegrino (Bologna)

Intervengono
Stefano Baia Curioni (Milano)
Cristiano Ostinelli (Milano)
Sandro Pasqual (Bologna)
Alessandro Roccatagliati (Ferrara)

■11月21日 Sabato 21 novembre, 9.30-13

Relazioni libere II

Presiede
Andrea Chegai (Siena-Arezzo)

●Davide Daolmi (Milano)
Una nuova trilogia monteverdiana

●Christine Jeanneret (Ginevra)
Maria Cavalli: all’ombra di Francesco

●Nicola Badolato (Bologna)
“L’Euripo” di Faustini e Cavalli:
dalle fonti all’intreccio

●Nicola Michelassi (Pisa)
La prima tournée del “Giasone” di Cicognini e Cavalli (1649-1653)

●Gennaro Tallini (Lugano)
Riflessioni in margine al “Discorso sopra la musica de’ suoi tempi” di Vincenzo Giustiniani (1628)

●Bianca De Mario (Siena-Arezzo)
Salde querce ed ombre mute: istanze drammaturgiche di un’opera pergolesiana

●Maruxa Baliñas (A Coruña)
La pastoral para sexteto: la auténtica segunda edición de la Sexta Sinfonia de Beethoven


■11月21日午前 Sabato 21 novembre, 9.30-13
Teatro

Relazioni libere III

Presiede
Cesarino Ruini (Bologna)

●Mauro Casadei Turroni Monti (Udine-Gorizia)
Le ‘premesse’ al Liber cantus carolingio

●Daniela Castaldo (Lecce)
Eracle musico: riprese rinascimentali di un’iconografia classica

●Francesco Rocco Rossi (Milano)
Val più la pratica o la grammatica? Il “Liber musices” per Ascanio Sforza

●Constance Frei (Ginevra)
L’archetto del violino e la cassa del tipografo

●Guido Mambella (Bologna)
Dal “Compendio di musica” alle lettere (1619-1650): la traduzione italiana

●Margherita Canale Degrassi (Trieste)
Nuovi apporti al catalogo tematico di Tartini

●Xoán m. Carreira (A Coruña)
Antonio Pacini e la recezione della musica strumentale di Beethoven a Parigi intorno al 1823

■11月21日 午後 Sabato 21 novembre, 15-18.30
Auditorium

●ラウンド・テーブル Tavola Rotonda II
 Imparare, leggere, comprare musica nell’Europa del Cinquecento

Coordinano
Paolo Cecchi (Bologna)
Iain Fenlon (Cambridge)

Intervengono
Franco Piperno (Roma)
Amedeo Quondam (Roma)
Kate Van Orden (Berkeley)
Richard Wistreich (Newcastle Upon Tyne)


■11月22日 午前 Domenica 22 novembre, 9.30-13
Teatro

Relazioni libere IV

Presiede
Alessandro Roccatagliati (Ferrara)

●Sarah M. Iacono (Lecce)
Da Pirro ad Arianna: un caso di studio tra le raccolte di cantate e arie del Conservatorio di Napoli

●Chiara Sintoni (Bologna-Bolzano)
I trattati pianistici prima e dopo il 1800:
tra didattica, sociologia e organologia

●Milijana Pavlovic (Ferrara)
Un abbozzo sconosciuto della Terza di Mahler

●Anna Ficarella (Roma)
Mahler interprete “wagneriano” di Beethoven: storia di una recezione controversa

●Giangiorgio Satragni (Torino)
Fra il calco e la parodia:
le raccolte “à la manière de...” di Alfredo Casella

●Claudia Di Luzio (Berlino)
Drammaturgia di suono e spazio nel teatro musicale oggi

●Andrea Garbuglia (Macerata)
“Stripsody”: la vocazione musicale delle strisce a fumetti


■11月22日 午前 Domenica 22 novembre, 9.30-13
Auditorium

Relazioni libere V

Presiede
Marco Beghelli (Bologna)

Annette Kappeler (Costanza-Berna)
Claudio Bacciagaluppi (Friborgo-Berna)
Liberalità elvetica e disciplina patriarcale:
un contributo “gender” su un soggetto di Goethe, Scribe e Donizetti

●Claudio Vellutini (Chicago)
Adina “par exellence”: la tradizione esecutiva viennese dell’“Elisir d’amore” di Gaetano Donizetti

●Céline Frigau (Parigi)
Un bolognese a Parigi: Domenico Ferri scenografo del Théâtre-Italien (1829-1851)

●Michele Curnis (Torino)
«Il velame del futuro»: una tessera dantesca nel “Macbeth” di Verdi

●Miriam Tripaldi (Chicago)
L’inizio della collaborazione artistica tra Giulio Ricordi e Giuseppe Verdi

●Marco Gurrieri (Pavia-Cremona)
Il tavolo di Manon: occorrenze feticistiche nel teatro di Jules Massenet

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スペイン副王統治下のナポリの宴に関する国際学会@ナポリ(11月4-6日)

在ナポリ・スペイン文化会館セルバンテス主催で、ナポリ古楽研究所ピエタ・デイ・トゥルキーニは、「スペイン副王のセレモニーと宴」に関する国際学会を開催しました。

リンク  http://www.turchini.it/centro/attivita_scint_Cerimoniali.cfm

歴史、美術関係の発表が中心となりましたが、この学会では音楽学が重要な位置を占めています。

音楽学の人間をあげてみると、一応どこにでもナポリの顔として出席するナポリ大学のマリーホーファー教授、(ちなみに今のナポリで私が在住しているアパートの家主の奥さんの姉?)、および、同じくナポリの顔で副王下の劇場研究でもいろいろ著作のあるパオロジョヴァンニ・マイオーネ、プロヴェンツァーレはじめ、そして、まさにこのテーマが専門のディンコ・ファブリス師、スペインのコンプルテンセの博士執筆中の友人、ホセ・マリア・ドミンゲス、それから、大分前から知っているハーバード大学のルイズ・シュタイン教授、パレルモ大学で17世紀のカンタータの専門家、アンナ・テデスコ先生など。
私は同日ISMEZとの会合のため、発表そのものには不参加ながらも、最終コンサートとビュッフェのみ楽しく参加しました。

発表論文集は来年に出版されるので、興味ある方はトルキーニ古楽研究所まで連絡されたし。

なお、セルバンテスの館長はまだ30台ぐらいで本当にびっくりしました。当時のスペイン副王も、こんな感じで本国から若い貴族が送られてきたんでしょうか。

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Cerimoniali e Festa nella corte vicereale
secoli XVI e XVII Convegno Internazionale di Studi 4-6 novembre 2009

Prima sessione:
04/11/2009
h. 16:30 a 18:30
Luogo: Instituto Cervantes - Auditorio, Via Nazario Sauro, 23

Presiede: Luis Miguel Inciso
Carlos Hernando Sánchez ¿Una corte sin rey? El ceremonial como lenguaje político y la imagen del poder vicerreal en Nápoles entre los siglos XVI y XVII
Aurelio Musi Ideologie del potere nell'azione dei viceré spagnoli di Napoli
Manuel Rivero La justicia del virrey: ritual y autoridad en las ejecuciones públicas del siglo XVII. Una comparación entre Palermo y Nápoles
Elisa Novi Chavarria Cerimoniale e ptratica delle visite tra arcivescovi e viceré

Seconda sessione:
05/11/2009
h.10:00 a 12:30
Luogo: Chiesa dei Santi Marcellino e Festo, Largo S. Marcellino 10

Presiede: Maria Antonietta Visceglia
Giovanni Muto Struttura e costi della corte vicereale napoletana
Isabel Inciso Imágenes del poder: la fiesta real y cortesana en la Nápoles del siglo XVII
Vittoria Fiorelli Il soggiorno napoletano di Marianna d'Austria nel 1630Antonio Ernesto Denunzio Caratteri e forme dell'ospitalità alla corte dei viceré nella prima metà del Seicento


Terza sessione:
05/11/2009
h. 16:30 a 18:30
Luogo: Castel Nuovo, Piazza Municipio

Presiede: Luis Ribot
Attilio Antonelli I libri di cerimonialli del Palazzo reale di Napoli
Teresa Megale Teatro e spettacolo nella Napoli vicereale modelli e ritualità
Paolo Mascilli Migliorini La influencia de ceremonial en la arquitectura de Palazzo Reale
Diana Carrió-Invernizzi La presencia de las virreinas en las fuentes documentales sobre la fiesta y el ceremonial en la corte de Nápoles

Quarta sessione
06/11/2009
h. 10-12.30
Luogo: Biblioteca Nazionale di Napoli, Piazza Plebiscito

Presiede: Marina Mayrhofer
Angela Fiore - Cerimoniali musicali al Conservatorio della Solitaria
Paologiovanni Maione -Allegorie ispaniche nelle cantate gennariane
José María Domínguez- Ópera y fiestas musicales en Madrid y Nápoles durante el virreinato de Medinaceli

Quinta sessione:
06/11/2009
h. 16:30 -18:30
Luogo: Biblioteca Nazionale di Napoli, Piazza Plebiscito

Presiede: Rosaria Maria Gonzalez Martin
Louise Stein Carpio's opera patronage in Naples
Adolfo Carrasco Ceremonial y teoría política de la monarquía barroca
Dinko Fabris La Real Cappella di Napoli nell'età spagnola: musica e cerimoniale
Angelantonio Spagnoletti Cerimoniali napoletani di investitura dei cavalieri degli ordini militari-cavallereschi

06/11/2009
h. 18.30
Luogo : Castel Nuovo, Piazza Municipio

Presentazione del volume
AA. VV. España y Nápoles.
Coleccionismo y mecenazgo virreinales en el siglo XVII
Centro Estudios Europa Hispánica
Partecipanti:
José Luis Colomer
Giuseppe Galasso

06/11/2009
h. 20.00
Concerto conclusivo
Luogo: Chiesa di Santa Caterina da Siena
Centro di Musica Antica Pietà de’ Turchini

Tra Napoli e Madrid
Musica strumentale durante il Viceregno spagnolo
Musiche di Falconieri, Trabaci, Cabezon, Scarlatti, De Castro.
Ensemble L’Amoroso Affetto

Ente Organizzatore
Instituto Cervantes (Nápoles)

Collaboratori
Embajada de España (Italia)
Centro de Estudios Europa Hispánica (CEEH)
Sociedad Estatal de Conmemoraciones Culturales (SECC) (España)
Ministerio de Cultura (España). Dirección General del Libro, Archivos y Bibliotecas
Sociedad Napolitana de Historia Patria (Nápoles) / Società Napoletana di Storia Patria (Nápoles)
Universidad Federico Ii de Nápoles / Università Federico II di Napoli
Biblioteca Nacional de Nápoles / Biblioteca Nazionale di Napoli
Centro di Musica Antica Pietà de’ Turchini

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2009年度イタリア音楽学会全国大会(ローマ、10月30-11月1日)

日本音楽学会全国大会とイタリア音楽学会SIdMの全国大会は、毎年ほぼ同じ時期に開催されるため、毎年どちらを取るかで迷っていたが、今年は幸いにもイタリアのほうが少し遅い開催のため、両方に出席できる運びととなった。
日本音楽学会が10月23-25日の日程で大阪大学、イタリアのほうは10月30-11月1日の日程で、ローマのパルコ・デッラ・ムージカ(アッカデミア・サンタ・チェチーリアの新本拠で、少し郊外の不便な場所にある)が会場となる。

以下に発表プログラムを転載しておく。イタリアではこの5-10年ぐらい、立て続けに楽器学organologiaの領域ですばらしい論文が出版されてきたが、今回の学会にも、楽器学の発表が目立っている。

個人的には、フィリップ・ゴセット教授がチェアを務めるセッションで、知人のミラノのオペラ研究をしているマイナルディのMatteo Daniele Mainardi, 1797-1861. I teatri privati di Milano dalla Repubblica Cisalpina all'Unità d'Italia  という発表が気になっている。ミラノは、スカラ座はじめ市中の劇場ではもっぱらオペラ・セリアが上演されていたが、ミラノに集うロンバルディア貴族の領地のあるミラノ周辺の町の劇場では、主にブッファが上演されていた。そのレパートリは、ヴェネツィアとナポリからの「輸入品」であったが、この辺、どういう仕組みで興行が行われていたのかまだほとんど実証研究がないのだが、彼はそれに取り組んでいて最近どのような進展があったのか知りたい。
 ローマ大のヅィイノ教授は中世ルネサンス関係を総括し、どこにでも必ず要になっているパオロジョヴァンニ・マイオーネ教授は、ナポリ系研究のチェアを務めている。あと、イギリス系であろうか、ハートのミュンスターにあるスカルラッティの筆写譜の出所に関する発表が非常に興味深い。 * Anthony Hart, The Münster Scarlatti manuscripts revisited. A possible source of the origin of the manuscripts

イタリア国内学会ではあるが、実質、かなり海外からも参加があり、国際学会のようなインターナショナルな状況である。(採択率は50%を少し上回るぐらいだが、採択の判断が大変らしい。)

 ********************:プログラム ********************************
■Venerdì 30 ottobre 2009, ore 10.30

Sala Risonanze, presiede Fiamma Nicolodi

* Indirizzi di saluto: Bruno Cagli, Presidente dell'Accademia Nazionale di Santa Cecilia
* Guido Salvetti, Presidente della Società Italiana di Musicologia

* Anna Ficarella, Mahler interprete “wagneriano” di Beethoven: storia di una ricezione controversa
* Luigi Verdi, Rodolfo Ferrari direttore d'orchestra
* Carlo Lo Presti, Maurice Ravel e l'Italia: nuove prospettive e nuovi documenti
* Gunnar Wiegand, I contributi tedeschi al Festival Musicale Internazionale di Venezia nel 1932 prima dell'avvento del nazismo

Sala Musa, presiede Annalisa Bini

* Francesco Nocerino, Il clavicembalo Grimaldi 1691. Inediti contributi per l'arte cembalaria
* Francesco Carreras, Agostino Rampone e il brevetto del 1879 sugli strumenti a fiato metallici a doppia parete
* Giovanni Paolo Di Stefano, La collezione Savoia dell'Accademia “Santa Cecilia” e il mandolino in Italia tra Otto e Novecento
* Antonio Ferrara, La Société des instruments anciens di Henri Casadesus

Venerdì 30 ottobre 2009, ore 15.00

Sala Risonanze

* Marco Lombardi, Trascrizioni da Schubert. La Winterreise e i contemporanei
* Antonella Infantino, La musica vocale da camera di Antonio Scontrino
* Christoph Flamm, “Libera” chi? Alcune domande sul significato dei Canti di prigionia di Luigi Dallapiccola
* Myriam Quaquero, Per un riflessione critica sulla figura e sull'opera di Ennio Porrino
* Federica Nardacci, L'epistolario di Goffredo Petrassi nella Biblioteca-Archivio dell'Istituto di Studi Musicali “G. Petrassi” di Latina. Luci e ombre su alcuni personaggi del Novecento musicale
* Alfonso Alberti, Peripezie italiane di un conoscitore di funghi. Presenza e ricezione di John Cage nel nostro paese

Sala Musa, presiede Paola Besutti

* Christophe Georis, L'Arezia Ninfa e il Terzo libro monteverdiano: un nuovo ipotesto tassiano
* Giulia Giovani, Le Cantade “ritrovate” di Alessandro Grandi
* Marco Giuliani, I testi per musica di Carlo Milanuzzi da Santa Natoglia
* Alberto Mammarella, La prassi del canto modico liturgico a Napoli nel primo Seicento e la diffusione dei trattati di canto fermo
* Carlo Centemeri, La riscoperta di un oratorio di Giovanni Battista Bassani
* Cristina Fernandes, “Il dotto e rispettabile Don Giovanni Giorgi”, illustre maestro e compositore nel panorama musicale portoghese del Settecento

■Sabato 31 ottobre 2009, ore 9.30

Sala Risonanze, presiede Philip Gossett

* Rosana de Moraes Marreco Orsini Brescia, The Italian Luso-Brazilian Opera Houses in the 18th century
* Ilaria Zolesi - Sergio Chierici, Il settecentesco Teatro Leoni di Sarzana
* Armando Fabio Ivaldi, “Madame la France”: pregiudizi e giudizi nel dramma giocoso del secondo Settecento
* Matteo Daniele Mainardi, 1797-1861. I teatri privati di Milano dalla Repubblica Cisalpina all'Unità d'Italia
* Maria Birbili, Il trasferimento di materiale fra le opere buffe di Rossini: violazione o connessione?
* Daniela Macchione, L'opera italiana sulle scene del mercato antiquario

Sala Musa, presiede Agostino Ziino

* Angela Bellia, Musica e rito nelle raffigurazioni delle ceramiche della “Tomba 2” di Marianopoli (CL) (IV sec. a.C.)
* Nausica Morandi, Un antigrafo descriptus da un disperso apografo nel dramma liturgico medievale Officium Stellae
* Alceste Innocenzi, Il codice 9 del Duomo di Spoleto: problemi di attribuzione
* Francesco Rocco Rossi, Istruzioni di canto fratto nel Liber Musices della Biblioteca Trivulziana di Milano (Ms. 2146)
* Agnese Pavanello, Nuove acquisizioni su Gaspar van Weerbeke
* Donatella Melini, L'iconografia musicale del breviario di Isabella di Castiglia: tradizione e innovazione nei libri di devozione privata del Rinascimento

Sabato 31 ottobre 2009, ore 14.30

Assemblea annuale dei soci della SIdM ed elezione dei nuovi organi sociali per il triennio 2009-2012

Al termine dell'assemblea:

Roberto Giuliani, Presentazione del database Musica e televisione (1954-2004) - Progetto Musica nel 900 italiano

■Domenica 1 novembre 2009, ore 9.30

Sala Risonanze, presiede Paologiovanni Maione

* Luigi Collarile, Musica a stampa perduta. Considerazioni preliminari sulla produzione italiana del secondo Seicento
* Tiziana Affortunato, Le “Serenate-cantate” della seconda metà del Seicento: indagine formale e prospettiva storica
* Luca Della Libera, La serenata La gloria di primavera di Alessandro Scarlatti
* Michela Berti, Un caso di committenza dell'Ambasciatore francese a Roma: il Componimento Dramatico per le felicissime nozze di Luigi Delfino di Francia con la principessa Maria Giuseppa di Sassonia di Jommelli e il quadro Fête musicale donnée par le Cardinal de la Rochefoucauld di Pannini
* Roland Pfeiffer, Le biblioteche di alcune case nobili romane alla luce della ricerca sull'opera
* Paolo Sullo, I solfeggi della Biblioteca del Conservatorio “San Pietro a Majella” di Napoli

Sala Musa, presiede Saverio Franchi

* Anthony Hart, The Münster Scarlatti manuscripts revisited. A possible source of the origin of the manuscripts
* Konrad Tavella, Scuola del buon gusto per sonar il Violino. Una fonte inedita nella trattatistica tartiniana
* Mariacarla De Giorgi, Le composizioni romane di Fanny Mendelssohn-Hensel per l'Académie de France: «Je demande la parole»!
* Eleonora Simi Bonini, L'Arciconfraternita dei Piemontesi e la Chiesa del Sudario di Roma. La storia di una chiesa di Roma poco conosciuta: l'attività degli artisti che vi lavorarono musicisti, pittori e architetti fra cui Carlo Rainaldi
* Chiara Pelliccia, Il Lyceum di Roma. Vita di un circolo culturale femminile e della sua Sezione Musica
* Gaia Bottoni, Scalero, Fanelli, Alessandri e Serra: la Società del Quartetto di Roma attraverso carteggi privati e stampa quotidiana dell'epoca

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チマローザ音楽祭2009(5月)@アヴェルサ

ドメーニコ・チマローザの生家は、ナポリから電車で30分ほど少し北に行った古村アヴェルサにある。

しかし、20世紀初頭、この村にやってきた興行師がチマローザのオペラで失敗し、「チマローザの呪いだ」と捨て台詞をはいてアヴェルサを去ったことから(L'Eco di Aversa、2008年6月の記事より)、その後村人たちはそれを信じて、21世紀になってもいまだアヴェルサで行われるコンサートでチマローザの曲を取り上げるのはご法度とすらいわれているほど忌み嫌われている。(私自身、チマローザをまじめに研究すると早死にするとまで複数の人から”そっと”忠告をうけたことがある。なお本当に早死することになったら、それはチマローザのせいかもしれない。)

この迷信は本当に根強く、アヴェルサ市は1999年に生誕250年、そして2001年に没後200年を迎えることもあり、彼の生家を改装してチマローザ博物館にするというプロジェクトを決定したのに、工事業者ですらこの「呪い」に近づきたくないらしく、そのプロジェクト、および生家は鉄板で覆われただけで、結局10年近く放置されてしまい、もとの惨状(私はここを1998年に訪れている)よりもさらにひどい状況を引き起こしている。

このような態度は、バーリのピッチンニ、ザルツブルク&ウィーン(が追放したにもかかわらず手のひらを返したような扱いをしている)のモーツァルト、アイゼンシュタットのハイドン、バイロイトのワーグナーと対照的ですらあり、ハンブルクから30分ほどの郊外の町ベルゲドルフの有名人ハッセや、モンテフラスコーネでの台本作家カスティの扱われ方よりも状況はひどいように思われる。
実際、「チマローザ」音楽院とは、近くの町のアヴェリーノ市の音楽院の名前であり、2001年のチマローザに関する大規模な国際学会もここで開かれている。そして同じく2001年に開催された「チマローザ音楽祭」は、近郊のカゼルタ市で開かれており、これまでチマローザがアヴェルサの表舞台に立ったことは本当に数えるほどしかない。(19世紀に生家の通りがチマローザ通りと命名され、20世紀初頭に映画館「チマローザ」が開館したほか、駅前のチマローザの彫刻の設置、および公立小学校が「チマローザ」の名前を冠しているほか、定期的なイヴェントは無い) 

そんな中、2008年からアヴェルサにおいてようやく念願の「チマローザ音楽祭Festival Domenico Cimarosa」が立ち上がった。
音楽監督はコンプレッソ・バロッコやプティット・バンドにも参加するバロック・ヴィオラ奏者Giulio d'Alessio(リヨンとブリュッセルでディプロマ), パートナーは、ナポリ第2大学建築学部、書店クァルト・スタート、在ローマ・スペイン高校”セルヴァンテス”、および在イタリアスペイン大使館文化部 あと、いくつかのアヴェルサの私企業と、中心者はやはりのごとくアヴェルサ関係者ではない。
Seconda Università degli Studi di Napoli - Facoltà Architettura
Libreria Quarto Stato, Aversa
Liceo Espanol Cervantes, Roma
Consejería de Educación de la Embajada de España en Italia

第1回となる2008年は、5月27日から6月27日にかけて、以下4つのコンサート、およびチマローザに関わる展覧会が開かれた。
I CONCERTI
Facoltà di Architettura - Aversa, 27 maggio, 19.30
Edoardo Amirante

Chiesa di S. Maria a Piazza - Aversa, 28 maggio, 19.30
La Real Cappella del Teatro San Carlo

Facoltà di Architettura - Aversa, 29 maggio, 19.30
Cheng Chen y Liu

Facoltà di Architettura - Aversa, 30 maggio, 19.30
Yago Mahugo Carles, Edoardo Palao

GLI EVENTI
Libreria Quarto Stato - Aversa, 23 maggio - 27 giugno
10.00-13.00 16.00-20.00
Mostra “Domenico Cimarosa, aversano illustre”
La Libreria Quarto Stato, riferimento culturale di Aversa, con Passione ed Amore ha raccolto, negli anni, un vasto materiale su Domenico Cimarosa. Tale materiale viene riproposto perché costituisce un fondamentale punto di riferimento, circa l’illustre musicista l’aversano, unico e, quindi, raro.

2009年にも5月23日から6月27日にかけて第2回「チマローザ音楽祭」が開催され、
http://caserta.mondodelgusto.it/2009/05/19/festival-cimarosa-2009/
http://www.ecodiaversa.com/blog/2009/05/festival_cimarosa_2009_partenz.shtml

ロベルト・デ・シモーネはじめ、ナポリ音楽院の院長ニコロ・パレンテ、アヴェルサ市長ドメニコ・チァラメッラが開会式を行うなど、一応音楽祭として風体が整ってきた。今年も2008年のメンバーを中心に、4回のピアノを中心としたコンサート、および展覧会が開かれたが、どうみても面白そうな演目はなく、明らかに注目を引くイヴェントではない。(ナポリですらこの音楽祭の宣伝は一切見かけない)
Precisamente:
27 maggio, Facoltà di Architettura, 19:00, Edoardo Amirante, violinista;
28maggio, Chiesa di S. Maria a Piazza, 19:00, La Real Cappella del Teatro San Carlo di Napoli;
29 maggio, Facoltà di Architettura, 19:00, Cheng Chen i Liu, pianista;
30 maggio, Facoltà diArchitettura, 19:00, Yago Mahugo Carles, pianista, e Eduardo Palao, violoncellista.

L'"Associazione Gaetano Parente-senza scopo di lucro", nell'ottica di dare seguito e continuità ad un Evento dedicato al grande Musicista aversano, ha radunato, da settembre 2008, enti e personalità cittadine al fine divarare l'edizione 2009 del "Festival".

そして、どう顔を見渡しても、まともな音楽学研究者はこれに参画していない。(ロベルト・デ・シモーネは音楽学者だが、彼がナポリ院長だったときにどのようなことをしたかーー音楽院図書館を完全封鎖ーーを考えれば、いわゆる研究者ではないことに気がつかされる) おそらく彼らに人脈がないのであろう。
せっかく資金を投じているのに、どうもポイントがずれているのも残念な話で、いろいろな意味で田舎のイヴェントの限界を感じさせるが、それでも第一歩を踏み出したということだけでも評価はするべきであろう。


そうだ、次は「国際」ということで、日本から関孝弘というピアノ弾きでも呼んだらいかがだろう。
彼は、チマローザの「ピアノそなた」の楽譜(これには、指番号や表情記号が付加されており、50年ほど遅れた楽譜に見える。何で今頃こういう楽譜を出すのか疑問であるが、これをつきつめると全音の「原典版」という用語や姿勢自体に大きな問題があるということである。) やCDを日本で出しているようだが、大分と昔、氏は私にチマローザの真価はピアノ曲にあると宣ったことを思い出した。

フォルテピアノもチェンバロも弾かないピアノ奏者が、18世紀の音楽について専門家を気取るというのも今の時代ほとんど通用しないわけであるが、さらに、器楽の人にままありがちなように声楽作品に目配りを一切せず、こういう発言をするのだから、これはどうも氏の「専門性」自体に疑問をなげかけざるを得ないという以上に、日本でチマローザの名前が変にピアノとだけ結び付けられることになって対外的にも問題がある。
彼はおそらく器楽優位で物事を処理する前世紀の感性で留まっている人なのだろう。(これはロマン的ともいえるかもしれない思想だが、ドイツロマン派人たちにとっての音楽の理想はロッシーニはじめ、常にイタリアの声楽曲だったようなので、器楽が純粋で”高いもの”と思い込むのはまったく間違った態度ではある。)

チマローザの作品は常にオペラであるし、鍵盤ソナタのひとつには歌詞が書き込まれているものまであり、明らかに彼は常に声楽に根をおいて作曲をしていたと考えられる。「ピアノ」の側だけから彼を評価しようとすると、二次元から三次元が理解できないように、つまり、蟻が人間の全体像を把握できないように、彼の才能の全体像は理解できないはずである。
門外漢が他の領域にまで口を出すると大失敗するということは私も気をつけたいことだが、ただ氏はそれにさえ気づいていないようであり大きな顔をしている。その辺、どうもこの音楽祭の企画者とは意気投合するにちがいないと感じている。

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